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ウィンドウの上の植物

ルーンファクトリー4二次創作小説

◆探偵エルミナータの事件簿 後編◆

次にエルミナータが向かう先は、城の大広間を抜けた先に
あるフレイ(主人公♀)の部屋だ。


「観念なさい!貴女が犯人ねーーー!?」

ドアを開けて無遠慮にどかどかと侵入しながら、
びしっと指を突きつけ胸を張る!

とその時エルミナータの視界には、
誰も映ってなかった。
無人の部屋の中で

(……まさかの留守かしら?)

そう思うのも束の間、
じっと息を凝らすと確かに
人の気配はする!


「気配がするわね、居るんでしょ。何処に隠れているの、フレイ!」


目を右に左へと忙しなく動かしながら、
一見無人のように見える部屋の中で、尚も
声を掛ける。

「…エルミナータさん、驚かないでね?」

突然何も無い空間から、声がして、
エルミナータは思わず飛び上がりそうに
なりながらもその聞き覚えのある声に
耳を傾ける。


「戻らなく成っちゃったんです。…薬の実験をしていたら。」


(何処に居るの、フレイ!?)

きょろきょろと見回し声がする方へと徐々に進んで行く。

と、突如がつん!と音がして確かに何かにぶつかった。
何も無い空間に何かの存在が…

「やはり、貴女の仕業なのね!?この名探偵エルミナータに
全てを話しなさい!今なら罪は軽いわよ?」

声を張り上げると、
腰に両手を当てて空中を睨みつける。


「ごめんなさい…、素早くノビールの薬を作ってたんです。
そうしたら失敗して試験管が爆発して
気づいたら、透明人間に…!」

「つまり薬作ってたら、何かの作用でそうなったって事ね!?
日常生活に支障は無いの!?」

「何とか誤魔化しつつ、暮らしています…
それに時々だけど元の姿に戻れるんですよ。」
「むむむ~…じゃあ私も協力するから、
今から完璧に元に戻れる薬を作りましょう!
今日は、夜まで付き合うわ。」
「ありがとう、じゃあ先ずは黄の草とピンクキャットと…
四葉のクローバーをすり潰して…っと!」

ごりごりごり。

空中で乳鉢と棒が勝手に動き、一種異様な光景が広がっている。
それでも事情を知るエルミナータは、辛抱強く
薬品作りに付き合うのだ。
そして5時間後…

「一応解毒剤?のような物を作ってみたけど…
これって飲むのかなあ?」

空中に浮かぶ紫色の怪しき液体…が入った試験管。
それをもし飲むとすれば、かなり勇気が要りそうだ。

「飲む、と言うより体にかけるんじゃないかしら?」


ひょいっと、それを手に取りうむを言わさず即座に
透明と化しているフレイに向かって液体を振りまく。
「えっ、いやぁーーーーー!?」


エルミナータは後悔しつつ、叫び声を上げていた。
解毒剤は、効果はあったもののフレイにかかった
のは一部…腕や服の一部だけが元に戻り
更に異様な光景が目の前にあったからだ!


「エルミナータさん、酷いです。そんなに嫌がらなくても。」

「ごめんごめん、だって…ねぇ?腕や衣服の一部だけがにょきっと
空中にあるんだもの。ねー、いっそお化け屋敷で
バイトしたら?」

「エルミナータさん!」

お化け屋敷でアルバイトの件は、却下された。
薬品を、全て余す事無く振りまくと
ようやく、何時もの見知ったフレイの姿が
色彩を伴って目の前に立っていた。

「ふぅ~~~~、これで一件落着ね!?良い事をしたから
気持ちが良いわ!フレイ、これからは気をつけるのよ?
貴女の透明だった時の行いのせいで、驚いた人も多かったんだから。」
「はい!」

嬉しそうに、フレイは返事をして明るい微笑みを見せる。
それを満足そうに見やってからエルミナータは用件が済んだ
と言う事で帰路に着くのだ。

花屋に戻るとそこではコハクが待っており…、
エルミナータに仕事の成果を聞く。

「え、ええ!この私にかかれば事件なんて軽く
解決したわよ!」


(流石に透明に成った事は隠しておかないとね。
騒ぎになるし…。)

それでも、ふと頭に過ぎるのは『透明になれる
薬があったら色んな事に挑戦出来るのではないか?』
と言う事。
透明になって犯行現場を押さえるとか犯罪を抑止する為の
活動に役立つとか色々…、
しかしぶんぶんっと頭を振ってその考えを振り払うと。

(やっぱり普通が一番よね。フツーの生活。普通の日常。)

こうして、エルミナータの日常は騒がしくもつつがなく
過ぎて行く!
生活はやっぱり平常どおりが一番です!



◆終わり◆











B-2: ようこそ!

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